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2007/6/30-7/1

6/30は東大での表象文化論学会大会に足を運ぶ。この日見たパネルは全体のテーマはややまとまりを欠いたものの、断片的には面白い刺激を受ける話が満載であった。狭い領域を飛び越え、他領域に開かれた場として、このような機会は重要な意味を持つ。ただしそこで注意したいのは、個人の研究者にとって足場となる領域を持っておく必要があるということである。根無し草的に幾つもの領域を上滑りするのではなく、ある狭いパースペクティヴを持ちながら、それを恐れず開示し、組み替えて行くスタンスこそが、真に有益な発見の機会を得る態度なのだと思う。個人的にはリピット水田尭氏がコメントのなかで、マーティン・アーノルドのフィルム作品について言及していたのが驚いた。ビジュアルスタディーズや表象研究の文脈で実験映画というマイナーな例を出し分析を試みるのは、国内の言説ではほとんど有り得ないことなので、とても新鮮かつ心強く思う。
終了後、リピット氏と言葉を交わし、アメリカとオーストリアの実験映画の現状についてお話をお聞きする。また、教育の現場における商業映画志向と実験映画志向のギャップ、そして制作志向と研究志向のギャップといった個人的な悩みについても問題意識を共有出来て、非常に有意義であった。その後、巻上公一の公演は観たものの、懇親会には参加せず宿に戻る。

翌日は午前中に渋谷の松濤美術館での大辻清司展を観にいく。これが予想以上の高内容でついつい長居してしまう。この松濤美術館は初めて訪れたが、昭和を感じさせる建物全体のレトロな雰囲気が思いのほか心地良かった。この展覧会、大辻清司個人の仕事に留まらず、多様なコラボレーターについても掘り下げていたのが特に評価出来る。ここで山口勝弘の作品の現物を観られるとは思わなかった。オブジェとしての写真から、関係としての写真まで、大辻清司の多様な試みを俯瞰することが出来た。映像作品として「キネカリグラフ」(久し振りに観た)と「上原二丁目」が上映されていた。

午後からは表象文化論学会大会二日目へ行く。この日見たパネル「身体・映画・絵画にみる大日本帝国-ナショナリズムとジェンダー」は、全体的にとても興味深い内容で、自身の政治的信条と照らし合わせて考えさせられるものがあった。また宜野座菜央見氏の発表において、戦中に制作されたドキュメンタリー「海の民 沖縄島物語」を観ることが出来たのも大きな収穫であった。

夜は新宿に出てユニオンで中古をメインに物色。馬鹿みたいに安くなっていたのでSelektionのビデオを試しに購入。買うほどではないとずっとパスしていたのだが、一食分の値段なら買ってみてもいいだろう。Ken Jacobsの新作DVDはTzadikから(これは必携)。DIJとC93のコラボは、ずっと欲しかった盤。Muslimgauzeの「Hamas Arc」は昔所有していたが、その後手放してしまっていたので買い戻した。まずまずの収穫であった。その後、新幹線で名古屋に戻る。

二日間の散財は以下。
大辻清司展カタログ「大辻清司の写真 出会いとコラボレーション」
Muslimgauze - Hamas Arc/CD
Death in June - 93 Dead Sunhweels/12EP
VA - Selektion Vol.2/VHS(付属テープなし)
VA - Selektion Vol.3/VHS
Ken Jacobs - New York Ghetto Fishmarket 1903/DVD

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2007年07月02日 00:37に投稿されたエントリーのページです。

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