週末は東京にて、表象文化論学会での口頭発表。総括としては…学問として文化を扱うというスタンスとは、客観的に文化制度を扱うことでしかあり得ないのではないか、と思った。それに比べると作家論/作品論/芸術論/政治論は結局のところ印象批評と同類のもので、本当にアカデミックな研究と比べると価値の低い、エッセイや主観的な言説に過ぎないのではないか。本来の学究者のあるべき姿というものが見えてきたこともあり、私の今日までの道程とは、逃走の果てに他者の作家活動を論ずることでしかなかったのかもしれないと思えてくる。
合わせて東京都現代美術館に「SPACE FOR YOUR FUTURE」を観に行った。カールステン・ニコライのビデオ・インスタレーションが、イギリス構造映画におけるアンソニー・マッコールの作品の様だと思いながら観賞。未見の方は、光の帯の中に頭を突っ込んでみてみると良い。面白い経験が得られる。で、館内をうろうろしていると、会場内でこちらに向かって歩いて来る人影が。誰かと思えば、それは一年振りくらいにお会いする神戸の森下明彦先生であった。近況に始まり、マイナーな話題を長時間立ち話。いつも森下明彦先生とは上映会や展覧会でお会いする。前にお会いしたのは川崎での松本俊夫回顧展であったか。
以下、館内NADiffにて購入。そういえば大竹伸朗のカタログはまだ出ていない。予約していたことも忘れそうになる。
Carsten Nicolai - static fades
「初期ビデオアート再考」DVDカタログはまだ店頭在庫が有りましたので、よろしくおねがいします(ICC、amky、Art into Life、omega point、六本木ヒルズアート&デザインストアへの納品分は既に完売です)。
その後は神保町に出て、映像作家の牧野貴さんと落ち合う。いままでメールでしかコンタクトがなかったのだが、初にお目にかかる。で、挨拶もそこそこにジャニスへ連れて行ってもらい音楽談義。初めてジャニスに行ったが、これは素晴らしい店だ。ツタヤにはない類いのDVDと、アシッドフォーク関係、NWWやムスリムガーゼの未聴作品などをセレクト。そして台湾料理屋にてノートPCで牧野さんの新作「Elements of Nothing」を拝見しながら語り合う。刺激を受けまくりの楽しいひと時。充実を感じる週末であった。
名古屋に戻ってからもいろいろと思うところがあった。このところ、自分の取ってきたポジションが正しかったのかどうか逡巡する状態にあるが、そろそろ何かが見えそうな気がする。それは終わりに向かう覚悟ではなく、終わりに向かわない覚悟に近いものかもしれない。