ジャンル横断は大いに結構なのだが、自らの根拠となる専門領域を持っておかないと、結局のところそれは根無し草的なものとなる。自らの根拠となる専門領域を持ちつつ、他領域と向かい合う。しかもそこで自らの専門領域の制度を開示し、自己を形成する制度が壊される、あるいは組み替えられる危険性を厭わずに相互批評を行う。自己を安全な領域に置くことなく、自己を形成する制度が揺らぐギリギリのところで、自己の制度が変化する可能性を模索し足掻く。安易にカテゴリーのミックスを行うのではなく、ギリギリのところで明らかになる両者の相違点を求める。私はそれが批評において大切なことのように思える。