以下、Amazonにてオーダー。大学卒業のころの作品らしい。クリストフ・ヒーマンのStreamlineより。
Jim O'Rourke - Long Night / CDx2
近年のオルークはインプロ方面の演奏活動は続けており、何枚か作品が出ているようだが、私はインプロヴァイザーとしてのオルークに(というより今の即興音楽シーン自体に)関心が持てなくなっている。同じくコラボや、他の音楽家とのユニットでの活動にも関心が持てない。こう言っては何だが、どこか後ろ向きな感じがしてしまう。
映画音楽方面については若松孝二の映画音楽での、その物わかりのいい凡庸さにがっかりさせられた(誤解のないように述べておくと、「連赤」自体は素晴らしい)。
そして私が最も関心のあるオルークのエレクトロアコースティック方面の活動は、作品が定期的にリリースされている。しかしこれらは、よくよく考えると内容は90年前後の未発表音源ばかりで新作ではない。TNBとのコラボ(リミックス)も単なるフリージャズだった。
私は実験音楽、アメリカーナ音楽の形式を反芻し、実践的に自己の活動の中に捉え直そうとしていた、少なくともそのように見えた頃のオルークが好きである。それに対して彼の演奏するポップスもインプロも、そのジャンルに対するオルークの音楽ファンとしての憧憬があまりに前面に出ているため、どうしても彼の活動の本体として捉えることが出来ない(ちなみに「ユリイカ」がリリースされた当時は本当にがっかりした。その理由は彼が実験音楽から足を洗ったからではない。ただの音楽ファンのような選択、「そのジャンルが好きだから」、「ポップスが好きだから」やってみました的な安易な選択にがっかりしたのだ)。
かつてのオルークは、実験音楽、アメリカーナ音楽に対して、各カテゴリーの音楽形式を辿り直し、厳密かつミニマルに形式の解体と再構築を実践する実験精神を持っていた。私はもう一度、彼のあのような音楽を聴きたいと思っている。牧野貴のフィルムで聴くことのできた彼の音楽は、間違いなく私の好きであった、あの音楽だった。まだ私はオルークに対して持っていた期待のすべてを捨ててはいない。過去作品の発掘ではなく、是非とも新作で実験音楽、またはアメリカーナ音楽に対する新しい解釈、そしてあの頃の実験精神を提示して欲しい。
あと、ツタヤとヤフーにてまとめてDVDをレンタル。