6/10
羽田へ。そのまま真っすぐ草月会館へ向い、資料室にて草月アートセンターや勅使河原宏関係の資料をごっそり閲覧させて頂く。レアな写真やイベントの運営資料など、実際の規模や状況の理解が深まった。フィルムアートフェスティバル造反事件についての声明文やアジビラなどが興味深かった。なるほど。司書さんにお礼を述べて、喫茶店でひと休みしながら戦利品を整理する。
その後、森美術館の「万華鏡の視覚」展を観に行く。ペーター・チェルカスキーがどのように展示されているのかに興味があったのだが、それよりも思わぬ収穫だったのがリテュ・サリンとテンジン・ソナムによるチベット修行僧の短編ドキュメンタリーである「人間の存在に関する問答」だった。チェルカスキーの作品は持っているDVDに入っているものだった。
以下、本日の散財。
森美術館=編 - 「万華鏡の視覚」展 カタログ
6/11
東京都現代美術館へ「池田亮司 +/−」展を観に行く。ここでの作品において表示されている、俯瞰的視点にて全体を記述しようとするかのような膨大なデータ群は、何についてのものでもない、超越論的な無限の表象である。これらは何ものかとの指標関係を持っている訳ではなく、象徴であるに過ぎない。とするならば、それは宮島達男のデジタル・カウンターのような安直な演劇性と何が違うのか。単に洗練の度合いの問題なのか。
一方で「数学は何についての表象なのか」という問いを立ててみれば、池田は数学が表象しているものを視覚・聴覚を用いて芸術のコンテクストにて表象していると言えないこともない。が、やはりそこには拭い難い違和感が残る。私は池田の仕事であれば、作品が何らかの現象を伴いながら、概念と知覚の狭間で揺れ動く、そのような経験を与えてくれる作品を評価する。なので私は、今回の展示であれば「matrix [5ch version]」のような、概念と知覚の緊張関係を孕んだ作品をもっと観たかった。残念だった。
その後、常設展も観る。田中功起のビデオインスタレーションの宙吊り感覚はやはり面白い。
以下、館内のNADiffにて本日の散財。Chim↑Pomについては、針生一郎まで引っ張り出すとは思わなかった。今日の社会的芸術というのは、高度化した資本主義による平滑化に対して、剥奪された生の可視化、再占有を行うことだと思っていたのだが、後付けでPC化するくらいなら社会的芸術としての存在意義はない。
佐谷画廊=編 - 「アンドレ・ブルトンと瀧口修造」展 カタログ
佐谷画廊=編 - 「西脇順三郎と瀧口修造」展 カタログ
佐谷画廊=編 - 「駒井哲郎」展 カタログ
佐谷画廊=編 - 「福島秀子」展 カタログ
池田亮司 - 「池田亮司 +/− 」展 カタログ
Chim↑Pom,阿部謙一=編 - なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか
夜はスーパーデラックスにて、ドナルド・リチーの解説付きで是枝裕和「ディスタンス」の上映を観る。リチーさんと話す。
6/12
午前中に新宿のユニオンを巡回する。中古レコに対する物欲を失ったのか、何も買わず。その後、写真美術館へ行く。以下、写真美術館のショップにて本日の散財。待望の刊行。
岡村恵子,辻憲行=編 - 「第1回恵比寿映像祭」カタログ
午後からは日仏学院にて、フランスで開催されている映像祭「Hors Pistes」の日本版プログラムの初日を観る。その後、太田さん、河合さん、瀧さん、服部さん、日仏学院のスタッフの方々、「Hors Pistes」のジェラルディンさん達と飲みに行く。何故、数年前から作ることを中断させたのかを少しだけ話す。
6/13
昼に恵比寿のNADiff a/p/a/r/tに行って、Chim↑Pomの「広島!!」を観る。いろいろと思うところがあった。Chim↑Pomがどうした/作品がどうしたよりも、この一連の行動は図らずして芸術についての極めて重要な問題を浮かび上がらせた。そこは高く評価する。
以下、NADiff a/p/a/r/tにて本日の散財。
芸術批評誌REAR No.21 - 「特集:トリエンナーレ!」
総合美術研究所=編,瀬木慎一=監修 - 日本アンデパンダン展全記録
その後、日仏学院へ行って翌日の打ち合わせ。
6/14
今回の仕事である「Hors Pistes Japon」のシンポジウム司会の日。午前中は個人的な買い物。そして飯田橋駅近くの定食屋で、シンポジウムの流れをシミュレーションしながら一人で昼食。開場直前に日仏学院に到着。いろいろな知人と会う。しょっちゅう連絡は取っているのだが、飯村さんと中島興さんに直接会うのも久方ぶり。佐藤実さんも来られていたらしいのだが、以前資料を複写させて頂いた件についてのお礼を言いそびれたのが心残り。なかなか面白い一日だったので、内容については別エントリーで書きます。首尾よく仕事を終え、河合さんとカミーユさんとジェラルディンさんにお礼を述べ、上機嫌で帰路につくが、午前中に買った物を会場に忘れてきたことに電車の中で気がつく。
6/15
今回の東京での用件は全て完了。帰路につく。